雪蟷螂(紅玉いづき)感想│想い人を食する人喰い物語【ネタバレ】

雪蟷螂(紅玉いづき)感想│想い人を食する人喰い物語【ネタバレ】

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81++nskeu7L紅玉いづき著の『雪蟷螂(ゆきかまきり)』。
大手である電撃文庫の作品ですね。
電撃文庫といえば電撃FCIがもうすぐ発売ですが、いつかこの作品が登場することもあるのでしょうか?

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件名にもある通り、この作品は『人喰い』がテーマとなっており、一般的なライトノベルのイメージとはちょっと違うストーリーになっています。
またシリーズ物の最終章となっていますので、興味のある方は是非シリーズで読んで欲しいと思います。

※ネタバレは多少含みます。

雪蟷螂:あらすじ

涙も凍る冬の山脈に雪蟷螂の女が起つ。この婚礼に永遠の祝福を―。長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つた め、ひとつの約束がなされた。それは、想い人を喰らう“雪蟷螂”とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族ミルデ族長オウガと の政略結婚だった。しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれる。果たして、山脈の地に平和は訪れるのか。そして、極寒の地に 舞う恋の行方は…。『ミミズクと夜の王』『MAMA』に続く“人喰い物語”最終譚。

雪蟷螂:ネタバレ感想

人喰いシリーズの最終章

紅玉いづきさんの「人喰い物語」の最終譚。
長い間戦い続けてきた2つの部族が、戦争を終わらせるためにある約束をします。
それは、“雪蜥蜴”という想い人を食べてしまう一族の女族長と永遠の生信じる一族の長との政略結婚
それによって部族をまとめ、今後戦いのないように取り決めるはずでしたが、ある事件が起き縁談が破棄されそうになってしまいます。
その事件を解決するため動いた女族長は、そこで真実を知ります。

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衝撃の真実と特徴のある文章で続きを読ませる展開

女族長アルテシアとその側近のトーチカ、影武者のルイ、敵の長のオウガ、それぞれの想いと結末がどうなるのか、続きが気になる展開となっています。
作者である紅玉いづきさんの作品の特徴はどれも童話のような不思議な物語です。
良くいえば透明感のある文章、悪くいえば素っ気ない文章ですが、そこが物語をより幻想的に仕立てていると感じました。

雪蜥蜴」は、特にその傾向が強い作品で、冬の雪山が舞台になっていることも相まって、より透明で真っ白で凛とした寒さを感じます。
しかし、そこに暮らす人々の思いや強さは激しい感情となって表現されていて、雪で真っ白な山の中に色とりどりの情景が思い浮かべられました。
読み終えた後にも、それぞれの感情がずっしりと胸に残ります。
蟷螂の雌が雄を食べてしまうように、愛する人を食べる性をもつ一族の愛がどこに向かっていくのか、憎しみと愛情が見え隠れする結末です。

これも一つの恋愛小説

凍てつくような物語ですが、最後は苛烈な愛で締めくくられます。
決してほっこりした恋愛小説ではありませんが、ある意味これも恋愛小説なのではないかと思います。
涙も凍るほどの地での激しい愛の物語です。
誰と誰が想いを通じ合わせた、とかそんなことを楽しむ話ではありませんでしたが、それぞれがそれぞれの幸せを自分なりの形で見つけ出したのだと感じます。
幻想的なおとぎ話のような、でも子供向けではない物語。底冷えする冬の季節にこそ読んでいただきたい作品です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
ストーリーの内容はとても“ライト”とは呼べない物ですが、読んで損は無い内容になっていると思います。
特殊で狂気的な形で締めくくられるラストは一見の価値があると思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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フォルソク(管理人)
管理人のフォルソク(@forusoku)です。自分の興味のある分野について記事を書いています。
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