ライトノベル「異能バトルは日常系の中で」10巻の感想です。
アニメ化もされており2014年秋に放送されましたが、残念ながら2期は難しいかな、という売上に終わってしまいました。
個人的に好きな作品だったので、2期アニメが無さそうなのは残念の一言です。
内容はタイトルどおり「異能」がテーマとなっており、様々な異能を持つ能力者が登場します。
「火や風を操ったり」、「時を止めたり」…ラノベでは実によくある設定と言えます。
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ただ「異能はむやみやたらに使うものではない」という事で、この作品の登場人物たちは、「異能」は持っているもののそれを大々的に使う事はありません。
作品の雰囲気としては「はたらく魔王さま!」に近いかなと思っています。
シリアスになりそうで、ならなさそうな感じが似てるかなと。
ただ最近「はたらく魔王さま!」もシリアスシーンが増えてきましたが、「異能バトルは日常系のなかで」も徐々にシリアスにシフトしていきそうな雰囲気は漂わせています。
アニメでも登場した桐生一(神崎 灯代のお兄さん)の一味が何やら動いていそうな状況です。
このページのもくじ
異能バトルは日常系の中で10巻レビュー
あらすじ
「つぎの部長が決まり次第―私は、安藤くんに告白します」生徒会を引退した工藤が文芸部にやってきて楽しく遊ぶなか、高梨彩弓は一人決意を固めていた。し かし次期部長が決定した日の翌日、文芸部を取り巻く世界に信じられない異変が起こる。唐突すぎるキャラ改変。だがそれは、日常の終わりと、異能バトルの始 まりを告げる予兆に過ぎなかった。卒業の季節と、迫りくる激変の気配に揺れる、超急展開の第10弾!!(BOOKより)
灯代の置かれた状況に同情を禁じえない
10巻では、部活引退間近に迫った彩弓さん(高梨 彩弓)と、同じく3年生であり同じ異能者に目覚めている工藤さん(工藤 美玲)を慰労する意味でちょっとしたパーティーのようなものを行っています。
終始和やかだったのですが工藤さんが突然「言ってはならない事を言ってしまっていた」と灯代に謝ってきます。
え?そんなシーンあったっけ?と思っていたのですが、それは工藤さん初登場時に灯代の胸のサイズをバカにしてしまった事でした。
あったような気はする…。
しかしどうして突然そんな事を言い出したのかと聞いたら、忘れていたけど水着の灯代を見て思い出した、というのはひど過ぎるw
さらに元中二病である灯代は、中2病チックな台詞を言いながら、『永遠(クローズドクロック)』で時を止めようとしましたが、相手の異能を奪う『強欲(グレイトフルラバー)』の持ち主である工藤さんに能力を奪われてしまいます。
ちなみに『強欲(グレイトフルラバー)』は能力発動の瞬間を見ないといけないのですが、灯代が無駄に中2台詞を言ってたために隙が出来て奪えたという話。
中二的にはそういう前口上が大切なんでしょうが、その辺を冷静に突っ込まれ、まさに顔真っ赤状態w
これだけでもかなりきつい状況ですが、悲劇はそれだけでは終わらなかった───。
動揺していた灯代は、『永遠(クローズドクロック)』を奪われている事を完全に忘れた状態で、「異能を使っていると思い込んで愚痴を言い出します」。
- 自分のサイズに対するせつない愚痴から始まって
- ストレス発散のアニメの決めポーズを叫びながら決めて
- 最後に落ち込みポイント(自分は落ち込んでるよーとアピールするために見つけやすい場所で体育座り)を探す
独り言を人に聞かれて恥ずかしい!ってレベルじゃない恥ずかしさです、想像したら(笑)
安藤たち面々は対応次第では、灯代は立ち直れないと思ってアイコンタクトで見て見ぬふりをしようとしたのですが、小学生である千冬ちゃん(姫木 千冬)には残念ながら伝わらず、ほんと可哀想な事になってしまいました。
文芸部の次期会長は灯代に。
3年生である彩弓さんは部活も引退するわけで次期会長を安藤、灯代、鳩子(櫛川鳩子)、千冬で選ぶ事になりました。
8巻で小学生扱いして傷つけていた安藤は千冬を気にかけますが、千冬自身が小学生なので部長になるのはおかしいと言って遠慮したので、残るは2年生である3人に絞られました。
最終的に顧問である里見先生の鶴の一声で、灯代に決定しました。
あらすじで次期部長が決まるのは分かっていたのですが、この3人って正直誰も部長っぽくないですから誰になるんだろうって感じでした(笑)
里見先生の話と彩弓さんの話を聞いたらああ、なるほど確かに適任かも!って。
安藤に告白しようとしている彩弓さん
キャラが薄いとか負け属性とか散々相模に言われていた彩弓さんはなんと安藤に告白すると宣言しました。
まだまだ続きそうな「異能バトル」なのにこの中途半端な状況の中で告白敢行はどう考えてもフラレフラグとしか…なんて思ってしまいますが…。
満を持して安藤と翌日に落ち合う事を約束します。
実は告白ではなく、再戦だと思った安藤(体育館裏は以前彩弓さんに負けた場所)は翌日凄い物を見ます。
唐突に起こったキャラ改変
朝から恋愛脳になっている工藤さん、そしてヤンデレ化した鳩子。
さらに学校へ行くと、小学生なのに女子高生になっている千冬。
美少女女子高生化している相模。
あらすじにも書いてますが、この唐突なキャラ改変は確かにびっくりしますね。
とりあえず女子高生バージョンの千冬がかなりの美少女だった。
美少女らしいけど、相模はあんまり可愛くなくて良かった(?)かなw
混乱する安藤は幸い目立ったキャラ改変を受けていなかった彩弓さんと調査を開始します。
名探偵相模静夢?
実はこれの彩弓さんの異能、『始原(ルートオブオリジン)』の暴走だったんですね。
そして彩弓さん自身自分に原因があることを認識している状況。
これらをバシッとつきつけたのが、相模静夢。
全っっっっ然気づかなかったw
でも言われてみると確かに伏線は張ってました。
てっきり新キャラ登場でそのままシリアス系に突入するものとばかり(笑)
さらに安藤お前も気づいていたのか
決心した彩弓は安藤に全てを打ち明けますが帰ってきた答えは、「だと思ってました」。
お前も気づいてたのかよっ!と。
恋心には鈍感なくせに、安藤ってこういう所めっちゃくちゃ鋭いと思ってるのは僕だけですかね。
最後に脇役と思っていた「双葉環」の再登場
安藤の中学時代に影を落とした存在、相模の元彼女「双葉環」がラストに登場します。
キャラ改変の前に工藤さんがオフ会で会う約束をしていた檜枝岐さん。
てっきりこいつが今回の黒幕になるものだと思ってました。
しかし現実には双葉環。
そして「黒き十二枚の翼(フォールンブラック)の七枚目」、『誰も座らない玉座(ロストレガリア)』との事。
この集団は桐生一の組織なので、この時点で何らかの「異能持ち」は確定ですね。
気になる台詞は、「男モードで話していた事」ですね。
女性である環なので、そういう能力なのか単なる男装なのかは気になります。
ちなみに登場した6巻と比べてみました。
左の画像は10巻の環ですが、相模のような中性的な男性に見えませんか?
実際工藤さんも男性と思っていたようです。
しかし右の6巻の頃の環は女の子らしい格好も相まって、男にはとても見えません。
他の画像も確認しましたがこうしてみると、顔立ちと格好、さらに文章で女の子と思い込んでましたが、女装している美少年に見えなくも無いぞ…。
まぁ男モードなので、本来は女の子なんだろうけど、もし男だったらビビる(汗)。
全く思いもよらなかったw
環は登場時は普通のキャラだったのですが、いわゆる「ヒロインぶっている」典型的なキャラで、相模と付き合ってるのに浮気してたり、安藤に「実は親に虐待されてる」なんて嘘ついててあまり良い印象は無い、というか正直嫌いなキャラなのですが、まさかの再登場(しかもどう考えても重要な敵キャラ)でした。
まとめ
このままシリアス編に突入か?と思っていたのですが、もう少し日常は続いていきそうですね。
9巻の終わり際が非常に気になる所で終わっていたのですが、次の巻はどのようになるでしょうか。
上で桐生サイドだから「敵キャラ」と書きましたが、桐生一はどっちかとうとダブル主人公的な感じですしね。
11巻は恐らくまた安藤サイドの話だと思うのですが、どういう流れになるのか楽しみです。
それではここまで読んでいただきありがとうございました!
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